長期渡航への備え
それでは最後に、最低限自分でできる、適応障害の回避方法について考えてみます。
まず気をつけなくてはならないのは、「渡航先は理想郷ではない」ということです。
国土交通省が発表した資料をご覧ください。
これは短期旅行者の場合の統計結果ですが、期待度と満足度を比べ、満足度が期待度を上回った国は一つもありません。
つまり、旅行者は少なからず、「がっかりした」気持ちで帰国しているのです。
アジアでは中国、ヨーロッパではフランスで、特にそのギャップが大きく見られます。
外国に長期滞在する場合、理想と現実のギャップが大きくなっても、それを埋め合わせる手段に乏しいことが殆どなので、精神的に追い詰められる危険性はますます高くなるでしょう。
そこで、
- 相手国を理想化しすぎない
- トラブル対応方法を予め探しておく(病気や精神疾患になった時の連絡先、犯罪に巻き込まれた時の対処法など)
- 自分らしくいられる時間を作り、アイデンティティを守る
- メディアを信用しない(相手国を理想化する最も大きな原因になる場合が多いから)
私たちは、日本人であることを否定する必要は、全くありません。
最低限の「郷に行っては郷に従え」を実行しつつ、本来の自分を見失わないようにすることが大切です。
日本で持っていた趣味を、可能な限り現地でも実行する、などの手段も、心をリラックスさせて生活する秘訣なのではないかと思います。
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